第74回 2006/01/16
の裏手の木々に様々な小鳥が来る話を書きましたが、先日の夜中、温まりすぎた部屋の空気を入れ替えようと思って窓を開けると、その木々の下を通過していく、やや大きな影がふたつ。なんと!狸でした。中型犬くらいの丸々太った狸が2頭、背を丸めて闇の中へ消えていったのです。多摩は、自然が残っておりますね。前の住まい(浦和市街)では、考えられないことです。ビックリするとともに、なんだか嬉しくなりました。動物好きのスマイリー井原でございます。

 先にご案内の通り、柳家喬太郎師匠の独演会にゲスト出演させていただきました。その人気におぶさって、他力本願で300人のお客様の前に出させていただけるという幸運! このチャンスを生かして、一人でも多くの方に興味を持って頂けるよう頑張ろう!と、早々に会場入りしたところ、ホールにはまだ電気もついていませんでした。意気込みすぎたようです。スタッフの皆さんがあわてて用意をしてくださり、いつも通りの簡潔なリハーサルをして、「それでは本番よろしくお願いします」と言って楽屋に戻ってから、開演までだいぶ時間がありました。することがなくてボーッとしていると、お見えになった喬太郎師匠から、先にご挨拶されてしまいました。毎度おなじみ、不遜な新人です。活動3年目の分際で、真打ちに挨拶に来て頂いちゃ、いけません。師匠、大変失礼いたしました。

 開演初っ端は、喬太郎師匠と寒空はだかさんお二人によるフリートークでした。寒空さんとは、六本木のライブハウス「morph-tokyo」でご一緒させて頂いたことがあります。大学の落語研究会ご出身だそうで、喬太郎師匠とは学生時代からのお知り合いなのだとか。息のあったトークで会場が温まると、次は寒空さんのパフォーマンスです。世相を斬る替え歌を入れた軽妙な漫談で、オリジナル曲「東京タワーの歌」をラストにご披露。ロビーで販売されていたCDが、あっという間に完売になっていました。

 続いて、喬太郎師匠1回目の高座です。まずは、古典の「寝床」をみっちりやって、実力を見せてくださいます。舞台裏では、腰の低いおとなしそうな方だとお見受けしたのですが、高座に上がった途端に華やかなオーラが! 芸人は、こうでなくっちゃ。ペーソスの二人と私は、いつでもどこでも同じ。オーラ出ないからなぁ。

 休憩が入って、緞帳が下りた舞台に板付きとなって、いよいよ第2部、ペーソスの出番です。

演奏曲
1:甘えたい
2:おやぢいらんかえ〜
3:涙腺歌(4番まで)
4:霧雨の北沢緑道

 初めのうちは、お客様にとまどいがあったのか、あまり笑いが起こらなかったのですが、2曲目の『おやぢいらんかえ〜』でドカーンときて、そこからは一気に突っ走りました。ほとんどのお客様がペーソス初体験だったようですが、意気込み通り、名前を心に留めていただけたようです。ロビーで販売したCDも、持って行った分が完売いたしました。やったー!

 ペーソスが膝替わり(寄席でトリの直前に出る演者)となって、大トリ、喬太郎師匠2回目の高座です。今度はお得意の新作落語、初演の新ネタで、しかも、語りながら作っていくというのだから驚きです。大スター気取りの二流歌手が、何をやっても上手くいかなくて、池袋のスナックに入り浸っては、マスターに毒づいてくだをまくという話なのですが、人物描写がすごい! 場面転換が鮮やか! 随所にちりばめられたちょっとブラックな笑いも、最高でした。さすが、当代きっての実力者です。行く行くは、大看板、大名人と呼ばれるようになるんだろうなぁ。これからは、個人的に応援させて頂こうと思います。そして、また、前座にでも使って頂けたら嬉しいです。

 さて、14日(土)の東京MXテレビ「Indies A-GO-GO」をご覧くださいましたか? 放送直後に、BBSへ書き込みをしてくださった方がお二人いらっしゃいました。反響があって、良かったです。励みにして、頑張ります!

 今週末は、下北沢KOMPALでの定期ライブがございます。私は、諸事情により、またしても欠席させて頂きますが、お客様のお力で、哀愁オヤジ二人を温かく見守っていただけますよう、勝手ながら、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、今週も、風邪など引かないよう気合いを入れて、張り切ってまいりましょう!